もう二度とない? コラボレーション・ハイパーカー

スーパーカーの世界では、年代(10年ごと)の半ばに、時代の画期となって、その後、世代を代表することになるモデルが、何台かまとめて登場することが多い。2000年代(2000〜2009年)の半ば、それはエンツォ・フェラーリであり、ポルシェカレラGTであり、そしてメルセデスベンツSLRマクラーレンでした。

当時、マクラーレンはダイムラーメルセデスとのコラボレーションでF1を戦っていました(1995〜2014年)。“ドット・コム・バブル”も弾けた世の中でしたけれども、依然として高性能車ブームが続いていたため、メルセデスはマクラーレンとのタイアップで、超高性能車を生産することを決めたのです。

2003年のフランクフルトショーにて発表された、その名もSLRマクラーレンは、メルセデスAMGが専用に開発した5.4リットルV8スーパーチャージャーエンジンをフロントミッドに配したFRの2シータースポーツカーで、華麗なバタフライドアをもつ超ロングノーズ&ショートデッキのスタイルが話題となりました。特にそのノーズ部分は、当時のF1イメージでデザインされており、インパクトも抜群。瞬く間に世界のミリオネアたちから注文が殺到したものでした。

SLRマクラーレンの組立てそのものは英国ウォーキングにあるマクラーレンの本社工場(F1生産の横)で行なわれるとされました。5ATを含めたパワートレーンのみドイツのメルセデスAMGで組立てられた後、英国へと送られ、そこで、オールカーボンのシャシーにドッキングしたのです。

SLRマクラーレンは、まず、クーペモデルがデビューしたのちロードスターを追加。さらにはパワーアップした722エディション(クーペ&ロードスター)、レースモデルの722GTを生産。2009年、世界限定75台のSLRスターリングモスを最後に、メルセデスベンツとマクラーレンとのロードカープロジェクトは終わりを告げます。その後、2011年からマクラーレンは、悲願のオールオリジナルスーパーカーの生産を始めることになります。


西川淳の、この個体ここに注目!

東京から出品の当個体は、走行距離2.4万キロという、非常に程度のいい正規輸入ディーラー車でした。歴代SLクラスを乗り継いできたというオーナーが、最新のSLクラスには飽き足らず、17年秋にユーズドで手に入れたもの。

もともと、ヴェイルサイド製プレミア4509リミテッドエアロパーツをフルで装備していましたが、リアオーバーフェンダーやエアダクトカバーなどを取り払い、ノーマルホイールに戻して、少しだけノーマルの雰囲気とマッチさせるという高度なテクニックで楽しんでおられます。残念ながら、取り去ったエアロパーツ類は残っていません。

もちろん、純正の前後バンパーもきれいにガレージ保管されており、交換してフルノーマルの外観に戻すことは可能です。エアロパーツを組むにあたり修復不可能な加工はされていませんが、元に戻す作業はそれなりに手間が必要ということです。

ホイールはキズなどを修復後にオリジナルカラーでリペイントされており、キズひとつないコンディション。トランクルームには充電ジャックも追加されていますので、長期間の保管も心配なし(SLRのバッテリー交換は非常に面倒ですから)。メンテナンスは正規ディーラーにて行なわれてきました。

SLRマクラーレンというクルマは、筆者にとっても非常に印象深い一台です。トルコンATゆえ、街中では乗り心地がちょっと硬いだけのメルセデス、でした。けれども、ひとたびテストコースを走れば、楽々と300キロオーバーを記録。250キロを超えてからの、マシンとの一体感には目を見張るものがある。

街乗りでは無骨な印象が先に立った乗り心地も、100キロ、200キロと速度を増すにつれ、カーボンボディにもしなりが出はじめて、どんどんエッジが取れていくのが分かります。250キロを超えて初めて、強靭なボディを丸ごと操っているという感覚が芽生え、そこからがSLRマクラーレンの本領発揮となるというわけ。時速250キロ以上を経験すれば、なるほどマクラーレンが造ったスポーツカーだな、と貴方も感心するはず。

逆にいうと、公道では完全にオーバースペックのクルマ。それゆえ、なかなか走りに関する評判が上がってこない。もっとも、誰もがオーバー250キロの世界を体験できるわけではないので、仕方ありませんが……。

生産台数も2000台前後と少なく、また、今後、メルセデスとマクラーレンというビッグネーム同士のコラボレーションも、F1では再びあったとしても、マクラーレンのロードカーが順調に成長している今、少なくとも市販車ではありえない。そういう意味でもこれから、価値の上がることはあっても、下がることは考えにくい。そろそろ、ラストチャンスかも知れませんね。

車両スペック

年式2005
初年度200512
排気量5,439cc
走行距離24,000km
ミッション5AT
ハンドル
カラーシルバー
シャーシーNo
エンジンNo
車検2019(R1)10
出品地域東京都
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