あの限定モデルに憧れて……

自動車におけるエレガンスとは何か。空力や各種規制などでがんじがらめの現代のクルマにおいて、それをエクステリアデザインに求めることは、年々難しくなってきているように思われます。

ただ美しいだけではいけません。人の気を、良くも悪くも引くような、ハッとさせる何かがあって初めて、エレガントであると言えるのではないでしょうか。

マセラティの大型ラグジュアリィクーペ、その名もグラントゥーリズモ(=GT)は、エレガンスをまとった現代のクルマの代表作です。ピニンファリーナによるオリジナルデザインは、デビュー後11年以上(2018年9月現在)が経った今なお、新鮮さを失っていません。エレガンスは、やはり強い。

2007年のジュネーブショーで衝撃のデビューを飾りました。全長は5m近くもあり、ホイールベースも3mという大柄さもまた、エレガンスの源と言えるかも知れません。2+2の優雅なGTクーペというわけですが、その心臓部がまた熱かった。フェラーリ製のF136系V8自然吸気ユニットを積んでいるのです。

当初は4.2リットルと4.7リットルの二本立てで、組み合わされるミッションも6速セミAT(トランスアクスルのシングルクラッチロボタイズドMT)とZF6ATの二種類が用意されていましたが、その後、4.7+6ATに一本化されました。

グラントゥーリズモMCストラダーレは、2010年のパリショーでデビューをはたした、グラントゥーリズモの高性能バージョンです。MC=マセラティ・コルセはマセラティのレース部門を意味する頭文字ですから、当然、GT4クラス用レーシングカーのグラントゥーリズモMCとの関連性を示唆するモデルでもありました。

カーボンパーツでかためた専用エクステリアに、2シーターのスパルタンなコクピット、固められたアシまわり、450psまでパワーアップしたV8エンジンなど、マニア垂涎の仕様となっています。

2013年には460psにまでパワーアップし、MCレースシフトも搭載。同時に、4シーターとなっています。


西川淳の、この個体ここに注目!

このボディカラーを見て、“あの限定車だね”と思われた方は、そうとうなマセラティ・フリークだと言っていいでしょう。

キャンディレッドのようなメタリックレッドで、マセラティではロッソマグマと呼んでいます。実はこの色、2014年のマセラティ創立100周年を記念して限定販売(日本6台)された記念モデル“センテニアル・スペシャル・エディション”用に設定された3色のうちの1色で、日本には一台しか存在しないのではないか、と言われています。

この個体がそれだ、と言いたいところですが、そうではなく、どうしてもロッソマグマのMCストラダーレが欲しかった現オーナーが、オールペイントしたもの。もちろん、オーナーは再塗装すればクルマの経済的価値が下がることなど承知のうえでした。それでも好きな色に乗りたかった。リセールバリューのために、好きでもない色にがまんして乗るよりは、よっぽど格好いい。それこそ、エレガントなカーライフと言えるでしょう。

元色はグリジオ・グラニトというシルバー系のボディ色だったようです。ノーズまわりに小さな飛び石がいくつかありますが、それ以外は再塗装の状態も悪くありません。フロント20ミリ、リア25ミリのスペーサーをかませてあり、ツライチの雰囲気はなかなかの迫力。そして、なにより大排気量自然吸気+ロボタイズドミッションによるマセラティサウンドが、クルマ好きを虜にしてやみません。

車両スペック

年式2014
初年度20147
排気量4,691cc
走行距離46,000km
ミッション6セミAT
ハンドル
カラーロッソマグマ
シャーシーNoZAMUH45J000110681
エンジンNo
車検20197
出品地域宮崎県
  • レポートは売り主さまへのヒアリングと現車の視認を元に構成されており、必ずしも掲載内容の裏付けが取れている訳ではありません。CARZYは掲載内容の正確性・無謬性を何ら保証しません。
  • 車両の状態を専門的にチェックしているわけではありませんので、何らかの不具合や故障が含まれる場合があります。また取材から日にちが経過することによる状態変化もあり得ます。掲載情報はあくまでも参考情報であることをご理解いただき、購入に際してはご自身の車両状態チェックとご判断を優先ください。
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