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パガーニ本社をたずねて
CARZY MAG
CZMG22

iL Grande Affare Famiriare LA PAGANI

パガーニ本社をたずねて
words / Jun Nishikawa

元祖スーパーカー、300SL クーペ&ロードスターに乗る!

ボローニャ空港からタクシーで半時間ほど。郊外の村にへばりついた小さな“工業地帯”に辿り着く。背の高い建物などどこにも見えない。平屋の工場が立ち並ぶ一角に、目指すパガーニ・アウトモビリの本社兼工場はあった。
道路に面した間口は、たいして広くない。工場というよりむしろ、大きめのスタジオ、と言った方がよさそうだ。その佇まいを初めて見たならば、こんなところから “あんな”すごいクルマを世界に向けて送り出しているのか、と思ってしまうに違いない。ちょっとしたカルチャーショック、である。
パガーニ本社のエントランス
パガーニの、オリジナルオーディオ
見上げると、日本の国旗がはためいていた。ちょっと嬉しい気分になる。国旗と国歌をやみくもに否定する人には、外国の、言ってみればそうとうな片田舎に何十時間もかけてやってきて、ふと見上げたとき、そこに自国の国旗がひるがえっていることの何とも言えぬ心地よさを、いちど経験してみるといい。
さほど厳重ではないけれども、インターフォンで自己紹介する程度のセキュリティを通り抜けると、奥にゾンダが見えた。思わずカメラを取り出すと、通りがかったTシャツ短パンの青年に、身振り手振りで止められる。撮影禁止、らしい。後から聞いたところによると、その個体は760LH、つまりルイス・ハミルトン用で、今正に出荷するところだった。ちなみに、止めた件の青年は、パガーニの息子さん、である。
紫に輝く個体をじっくりと眺めて記憶にとどめたのち、小さなロビーに入った。中央にはわれわれを歓迎するかのように、ゾンダRがリアカウルを外して鎮座している。ウワサのパガーニデザイン・オーディオや、奥には創始者ホラチオが24歳のときに造り上げたF2マシンが展示されていた。
はやくも数々の展示品に見とれ、ひとりのマニア、狂喜乱舞・・・。奥の受付けカウンターに向かうことも忘れて、シャッターをおしまくってから、隣で「ホントに男ってしょうがないわね」とでも言いたげに優しく微笑む受付けの女性に気がついた。お土産の“虎や”を渡す。
広報担当のルカを呼んでもらい、訪問の目的を告げた。パガーニの生産ラインを見学し、ウアイラに試乗するためだけに、日本から“日帰り”(0泊2日)でやってきたのだ。
ホラチオデザインのフォーミュラーカー
※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。